被害者は誰なのか
私は昔、かなり男運が悪かったです。
自己肯定感の低さから、私にはこれくらいの人にしか好きになってもらえないんだと思っていて、どうしようもない男とばかり付き合っていました。
その中の1人にDV・モラハラ・虚言をする男がいて、私はもう一生この人から逃げられないんだな…と人生を諦めていた時があります。
その時期は毎日が本当に辛かったです。
嘘だか本当だかわからないことをペラペラ喋って脅してきたりバカにしてきたり…今思うと洗脳されていたと思います。
最後は包丁で刺されそうになり、歩けないほどの怪我を負わされたので、周りの人から警察に行きなさいと説得され、彼との関係は終わりました。
奴のことは一生憎みます。
ここには書き切れないほど酷いことをされたし、今でもその場面を思い出してしまいます。
頭から離れないんです。絶対許せない。
しかし、他にも許せないことがありました。
まず一つは警察官です。
私が診断書を持って姉に付き添われながら警察に行った時、受付にいた年配男性の警察官とこういうやりとりがありました。
私「すみません…付き合っている人に暴力を振るわれて…診断書はあるんですけど…」
警「で?どうしたいの?」
私「えっ…(どうしたいのって…もしかしてこれくらいじゃ警察来たらいけなかったのかな…)あの…逮捕してほしいんですけど…」
警「あーじゃあちょっと待っててね。(担当部署に電話をかける)あ!もしもし?ごめんね〜お昼休憩中に〜なんか恋人から暴力受けたって人がきちゃってさ〜じゃあ上に案内するね!」
もうこのやり取りで私のライフはゼロに近かったです。
お昼時に来た私は迷惑なんだ…顔面が腫れるくらい殴られたわけじゃない、少し歩けなくなったくらいじゃだめなんだ…
不安な気持ちと悲しい気持ちでいっぱいでした。
そしてその年配男性警察官に案内されエレベーターに乗ると
「恋人って同棲してたの?ダメだよ結婚もしてないのに同棲なんて〜〜親が泣くよ〜??」
がががががががーーーーーーーん
とっさに姉がフォローしてくれてその場を流してくれましたが、私の心はポッキリと折れてしまいました。
私がいけないんだ…
この言葉はずっとずっと私の中にこびりついて離れてくれません。
その後、クソ男は逮捕され、私は自宅も職場も知られているため逃げるようにして母方の祖母の家に行きました。
祖母の家は田舎です。なんにもありません。
私はこれからここで生きてここで死ぬんだ…
そう思うとすごく悲しかったです。
友達もいない、仕事も見つからない、ここにはなにもない…
絶望しかなかったです。
いつの間にか夜になると市販薬をodするのが日課になりました。
死のうと思って死ぬのはこわいけど、運悪く死んでしまったらそれはそれでいいかなという気持ちになっていました。
一度失敗して大変なことになり、それがきっかけでまた実家に戻れることになりましたが、それもそれでまた色々あり大変でした。
実家に帰ってきた後、私は警察には県外に逃げているということになっていたので、戻ってきたことを伝えておいた方がいいのではないか?と母に言われたのです。
確かに伝えるだけ伝えておくか〜と警察署に行って事情を話すと
警「向こうで仕事が見つからなくて辛くて帰ってきました?それじゃあなんのために我々が加害者の人権を奪ってまで取り調べしたかわからないじゃないですか!とにかく我々はあなたを守ることはできません。あなたが自分で彼を好きになったんでしょう?出来ることはないのでもうお帰りください!」
男性警察官3人に囲まれ、怖さもあって何も言えず、泣きながら帰りました。
加害者の人権を奪ってまでって……
被害者には人権はないの…?
私があんな人を好きになったから?
だから自業自得ってことなの…?
この警察署でのやりとりも毎日頭の中で再生されます。
悔しい、悲しい、どうして???
やっぱり私がいけないんだ…
母親にもこの件で
「被害者ぶるの辞めてくれない!?」
と怒鳴られたことがあります。
あぁ、家族にとっても私は加害者なんだ。
あの男と同じくらい私は酷いことを家族にしているんだ。私が悪いんだ。
私が加害者ならこの事件の被害者は誰?
父親から暴力を受けていた元カレ?
私にプライドを傷つけられた母親?
あの時、田舎でひっそり死んでいればよかったのかな。
幸せな今でも、ふとそんな考えが浮かびます。
なぜ被害者が責められなければいけないんでしょうね。
同じ思いをしている人は少なくないと思います。
どうか被害者が責められる風潮がなくなりますように。
どんな理由があれ被害者は被害者です。
あなたは悪くない、
あなたを傷つけた人が悪いんだよ。
私はもう自分自身にはこう言ってあげることはできないけれど、同じ思いをしてる人にはこの言葉を伝えたいです。
では、おやすみなさい🌙